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第38回座談会
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日時:2012.10.10(水)18:30~20:30
「お宝発見!見えなかったものが見えてきたとき」
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江坂が好き!な経営者のための、第38回座談会を開催します。
テーマは
「お宝発見!見えなかったものが見えてきたとき」問題提起者は
NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク 保坂 幸司 さん です。出来のよくない社員、儲からないうえに難しい仕事を抱えて憂鬱な気分に浸る。そんな私(経営者)がちょっとした気づきから、幸せな経営者になれそうになった訳とは・・・
「社員は仕事のための手段ではなく、かけがえのない目的だということに気づいて事業計画に血が通うようになった」と話す保坂さんに問題提起をしていただきます。
報告
座長の高木の挨拶があり、次にNPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク 保坂さんの問題提起が始まりました。
1.えらいことひきうけたなあ・・・人材育成
障害を抱えているために、働きたいのに働く場所がない、せっかく病気が治って就職したのにもっとひどくなって戻ってきてしまう。
そんな患者さんと日々向き合う精神科診療所の医師たちが立ち上げたNPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク。
当時職探しをしていた保坂さんが現場での就労支援を引き受けることになり、6・7年前に門真で創業しました。
20代中心の若いスタッフ7名で精神障害の支援をしていたが、誰もやったことがなくモデルがないので、手さぐりの状態だった。
1日の振り返りをとっても、拙くて聴いていられない状態で、1年目の就職者は0人。
訓練は手ごたえがあったが、支援者側である職員が育たない。優秀な人を雇えばよかったと思っていた。
など、創業のきっかけや創業してからのお話をしていただきました。2.即戦力?エリート採用?
職員のことについて悩んでいるときに別の施設に見学に行った。全員が国家資格を持ち、医師のもとで経験を積んだ人ばかり、そのピリッとした空気感がうらやましかった。
でもしばらくしてそこの職員が仲違いなどで入れ替わり、元の職員はいない状況を見ると、エリートの採用は出来なかったが、試行錯誤をしながら成長できたので良かったと思う。
即戦力というのは部分的な要素で、主力にしてはいけない。
など、ご自身の経験も交えながらお話しいただきました。3.先輩の金言「職員はメンバーさんがそだてる」
別の施設スタッフのきびきびと動く姿や的確なアドバイスなどを羨ましく思っていたころ、飲みながら相談した、師匠であり目標である先輩からの一言が「職員はメンバーさんがそだてる」だった。その時は禅問答でなかなか腑に落ちなかったが、ある時ぐっと伸びる社員や、就職が決まっていくメンバーさん、それを一緒に喜ぶ職員さんの姿を見て腑に落ちた。
できなかったことができるようになったり、就職が決まったりして、メンバーさんがものすごく喜んでくれる。そんな大きな経験が充実感につながり、職員の「心の世界が広がる」。
支援のプログラムも押しつけではなく選択の幅を持たせたり、普段は見守って、困っている時だけ手を差し伸べたりできるようになった。
など、メンバーさんと職員さんのお話がありました。
また、障害は程度や組み合わせで無限の個性があり、誰にでも必ず要素はあるというお話もありました。4.「技術を高めて、使いこなす」へ
これから若い職員が入る際に、今まで5年6年と時間をかけていたものを2年3年という短い期間で作り上げるにはどうすればいいのか。
限りのある人員で効率よく仕事をするためにはどうすればいいのか。
ということが課題だとおっしゃっていました。保坂さんのお話が終わった後、宗智哉税理士事務所の宗さんに乾杯の音頭をとっていただき、会食しながらの意見交換がはじまりました。
それぞれに自社での経験談や、そもそも障害って?というお話など、障害者の方との向き合い方について熱く議論を交わしました。
また、障害者に限らず、社員や周りの人との向き合い方など、人間的なお話も多く、深い内容の意見交換となりました。
(以下、アンケートより抜粋)Q.今日の座談会に参加して学んだことや、気づいたことを教えてください
- 経営者の話を聞く中で、今、目の前にある仕事に活かせる種がたくさんあったように思います。
- 上からの視点、下からの視点を学ぶ、知ることで、視野が広がったように思います。
- 参考になるアドバイスが得られました。
- 障害の違い、障害者の気持ち。
- 精神障害者の事について多くのことを知った。
- 心の世界を理解できる事。
- 病気について、対応方法について、いろいろ学ぶべき事が多いと思いました。
- いつも以上に深い話が多く、人間の本質を問われている会と言ってもいいような内容だった。
定刻となり閉会。
今回は参加者全員が残り、閉会後も引き続き江坂-起業家支援センターの一角で熱く語り合いました。